古今バッハ調律聴き比べ
11日,池袋「SPACE・1F」でのオルガン研究会例会に楽器提供で参加。演奏・解説は桒形亜樹子さん。古典調律体験シリーズとして今日のお題は「20・21世紀のバッハ調律」。様々な時代のバッハ調律を聴き比べと言う事でポジティフオルガンに「バッハ/リーマン調律(2004/5)」「1/4ミーントーン」「ヴェルクマイスターⅢ(1691)」、チェンバロに「バッハ/ケルナー(1975)」「平均律」と欲張って5種類も調律。まず前半は「バッハの曲はミーントーンで結構弾けるんです」という意外な説を桒形さんが実際の演奏で実証。確かにバッハの周辺にはまだミーントーンオルガンが多数あったはず。バッハ自身もミーントーンとの接点が多かったのではと演奏を聴いて納得。
後半、まずはバッハ調律の20世紀代表としてケルナー調律を解説。王冠の紋章に調律法が隠されているという説には当初ビックリでしたが、1/5PCというヴェルクマイスターⅢ(1/4PC)と、ヴァロッティやヤング(1/6PC)の中間という収まりの良さで一時期は話題だったのですが今や殆ど使われなくなったのでは?桒形さんは結構好きで今でも使っていますとの事。
最後に今だに海外のネット上で真偽の激論が続く21世紀代表のリーマン調律が登場。バッハが平均律第1巻の自筆譜に自ら書き込んだ不思議なグルグル文様から解読されたという話題の新説は、バッハ関連とは関係なく意外に融通の利く優れものの調律法か。私も何度もコンサートで使いましたがモダン楽器相手でも結構違和感が無い!(その時の奏者はリチャード・エガー氏) 謎のグルグル文様はバッハが同時代の別の作曲家の楽譜の表紙に描かれた文様に影響されたのでは?という新説の登場に少々興奮! F・Suppig が1722年に出版の楽譜にある文様と比較すると確かに影響があったのでは?と確信出来るほど似てました。(どちらが先かがまだ確定していないようですが) 「影響を受けたバッハが表紙の余白に後からグルグル文様を書き込んだようでしょ」との大胆な推測が面白い!
ミーントーンとバッハ/リーマン調律をコンサートで体験したい方は、2月27日池袋明日館でのシーベ・ヘンストラ チェンバロリサイタルをお聴き逃しなく!
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