堀さんのチェンバロ
5日、今日は朝からチェンバロ2台のメンテナンス。日本のチェンバロ界の偉大なる先駆者だった堀栄蔵氏の楽器を先日に続いて調整。(最近何故か連続してます) 鍵盤やジャックを総分解してみると全盛期の堀工房がいかに緻密な精度で楽器を作っていたかが良く判り改めて感心。まるで最近の高性能の日本車を運転しているような感じか。ジャックを差し込む時に抵抗なくストンと差し込めるのに前後の遊びが殆ど無いという精度にも驚き。
日頃中々個性的な精度の(イイカゲンな作り?)ヨーロッパ製のチェンバロに親しんでいるせいか、日本製のカッチリとした作風が新鮮。音色の個性ではヨーロッパの製作家は多彩で面白い楽器が多いのですが・・・。安定感では日本製に軍配が上がるかも。
オリジナル楽器を良く研究して作られた堀さんの楽器は非常に高いクオリティを誇ると思うのですが、ひとつ残念に思えるのは調律ピンがモダン風のスクエアピン使用という事か。機能的で精密な調律が出来ると言われるも、私はチェンバロはやはり時代劇と同じと思うので、劇中でいくら演技が素晴らしくてもチョンマゲ・和服の下に革靴では雰囲気が壊れてしまうのでは? オリジナル風のマイナスピンも慣れればかえってスクエアピンより調律しやすいような気がしますが・・・。生前の堀さんの前ではこんな恐れ多い事は絶対言えなかったゾ(笑)
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