サリエリのレクイエム本邦初演
26日、今日は神戸のホールで昼本番ということで朝からオルガンを暖めながら会場入り、9時に搬入のつもりで搬入口の外で待機するもいつまでたってもドアが開かない!大概のホールなら時間ピッタリに搬入口を開けてくれるのにオカシイなあ?と思いつつ待つもやはり誰も来ない。1時間も待って事務所の方がやっと出勤。聞けば「オルガンの搬入は11時と聞いてました」との事。昼本番なので朝一に搬入可能と思っていた私も甘かったか?(そういえば打ち合わせ無かったゾ)
このホール、海沿いなので景色は最高!ビルの社員食堂もそんじょそこらのデートスポットよりも見応えあるのでは?(味に文句言うとバチがあたるかも?)
今日は地元アンサンブルによるサリエリのレクイエム。(オーケストラ版は本邦初演とか) リハ前からオルガニストは誰かと探すも全然姿無し。リハ1分前に初めて現れたのは何と徳島でもお会いしたイタリア人奏者のM氏。この方、ピアノ奏者ながらフォルテピアノを何台もお持ちで(18世紀のオリジナル楽器をお持ちとか!)、今日も相変わらずフォルテピアノ談義。先日私のドイツの友人がベーゼンドルファーの製造番号18番を入手したと申し上げれば「僕のベーゼンドルファーは製造番号6番! でも状態が少し問題でねえ・・・」といきなりハイレベルの応酬開始。前回お会いした際も「僕はフォルテピアノ持ってますよ」「それは何年製ですか?」「2002年作です」「何だ!コピーですか。僕は18世紀のオリジナルのピアノ持ってますよ」との凄いやり取りでノケぞったんですが・・・。
今日のコンサートの目玉はサリエリのレクイエムの本邦初演。遠方からわざわざお越しのお客様から「その曲は前に演奏しましたよ」との指摘があったそうですが、オケ伴奏は今日が初めてとか。やはり本邦初演の名誉には皆さんコダワリのある様子。
今日のホール、冬場の乾燥で「怖い」と評判なのですが、今日は幸い乾燥が酷くなくたった22%。(笑)普通はもっと凄いんです! 一番怖いオルガンの鳴りっ放しも無くホッと一安心。舞台スタッフの方から「ウチは乾燥と熱気が凄いので、リハから本番照明あててるとトンでもない状態になりますよ!」とのアドバイスを頂き、リハの間は暗めの照明、開場・休憩時は舞台は真っ暗と、通常ならチェンバロ調律師なら卒倒しそうな条件をオーダー。それでも暗転の間でもピッチがドンドン上がるという中々厳しい環境、この非常手段が功を奏し、本番は何とかピッチが保てた様子。舞台スタッフの方に「チェンバロがよく来るホールなので、毎回調律師は大変でしょ」と申し上げると「皆さんいつも泣いてますね。そういえば少し前にチェンバロが演奏中に大きな音を立てて割れてましたよ」との事。それ私のチェンバロでした・・・。中々手強いホールです。
« 神戸は雪景色 | トップページ | お宝は出てこなかった? »
「パイプオルガン」カテゴリの記事
- あのオルガンが・・・(2024.12.07)
- 仏蘭西ピアノとクープラン(2024.12.02)
- ダブルヘッダー(2024.11.23)
- ペダル付き楽器(2024.11.22)
- 温度変化に振り回された1日(2024.10.13)
初めまして、サリエリのレクイエムのBパートを歌った者です。生憎梅岡さまの調律されるお姿は拝見出来ませんでしたが、私たちの演奏会の為にご苦労された事を拝読しお礼を兼ねて投稿差し上げました。
記事の中のOrgのM氏はウィーンのミノリテン教会に関連あるピアニストである事を私に話されていましたが、何しろ私の語学力ではその程度が限界、本物のF.pをお持ちの方とは存じませんでした。
面白い舞台裏を御紹介頂けるようですのでこれからも読ませて頂きたく、宜しくお願い致します。
投稿: 石間伏 燎 | 2008年2月24日 (日) 16時24分