J・S・バッハに関して最近一番エキサイティングな話題は、何と言ってもバッハの平均律クラヴィア曲集第一巻の表紙に描かれている文様から発見されたという「バッハ調律」では? 数年前にアメリカのレーマン氏によって発表されたこの調律法、臭覚鋭い演奏家はすぐにコンサートや録音で使っている様子。日本でも桒形亜樹子さんや大井浩明さんがレクチャーやコンサートで導入済み。ヨーロッパでも特にオランダの演奏家達が積極的にトライしているとの事。私も2年前にリチャード・エガー氏とモダンオケの来日ツァーで一緒だった時、このバッハ調律で全公演を調律した経験あり。(モダンオケでも全然違和感無かったのにビックリでした) バッハが平均律の曲を想定して考えた調律法という以前に、結構広範囲に使える優れた古典調律法として多くの演奏家に支持されているようですね。
このバッハ調律とミーントーン調律を使って初期と後期のバロック時代のチェンバロ曲を弾き分けるという意欲的なコンサートが2月に開催決定。
シーベ・ヘンストラ Siebe HENSTRA チェンバロリサイタル 「響きと音色で描き分ける2つの世界」
2008年2月27日(水)19時開演 池袋明日館講堂 料金 3500円 予約・お問い合わせ 沖津 Tel 045-301-3767 nilpferd@live.jp
曲目)★ Italian harpsichord (M.Skowroneck 1980) meantone tuning
Sweelinck - Ballo del Granduca
Byrd - Pavan & Galliard
Storace - Ciaccona
Frescobaldi -Toccata
Sweelinck - Hexachord Fantasia
★ German harpsichord (Jan Kalsbeek 2000) Lehman/Bach tuning
Froberger - Toccata & Tombeau de Mr Blanrocher
Bach - Chromatic Fantasia & Fugue
寺神戸亮氏上村かおり氏との「東京バロックトリオ」で日本でも御馴染み、オランダの実力派
シーベ・ヘンストラ氏のソロリサイタルが急遽決定。シーベ氏久々の来日コンサートです。ミーントーン調律とバッハ調律、イタリアンとジャーマンの2種類のチェンバロを使って初期物からバッハまで多彩なプログラムを演奏の予定。私もバッハ調律を積極的に愛用するヨーロッパの演奏家の「調理方法(?)」に興味深々! 18世紀のプログラムに話題の「バッハ調律」がどこまで適応出来るのか、またミーントーン調律との響きの違いがどれだけ表れるのか、シーベ氏の演奏が楽しみです。皆様もお聴き逃しなく!
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