19世紀の響き?旧奏楽堂
6日、爽やかな秋晴れの中、今日は上野の旧奏楽堂で脇田英里子チェンバロリサイタル。1890年建築(1987年に移築)という日本最古のコンサートホール(まだ19世紀ですぞ!)はさすがに日本の洋楽史の生き証人、設備は古いながら(チェンバロの搬入も大変!)歴史の重みを痛感。
リサイタルはまず17世紀プログラムをスコブロネックのイタリアンで演奏。この会場を良く使う芸大筋から「音響は悪いぞ」と聞いていたものの、我がチェンバロでは最後部まで良く音は通り古い建築特有の漆喰壁の温かな響きも素晴らしく、300席のホールとしては都内でも上位にランクされるのでは?との感想か。(楽器の位置決めは難しかったですが) 楽器と会場の相性もあるのかも?
途中、リコーダーで高橋明日香さんがバッハの曲でゲスト出演。リコーダーも位置が決まると会場で良く鳴っていた様子。連日出動のジャーマンチェンバロ、昨日はピッチ417以上でとのフルート奏者の希望で満員の会場の暑さの中で高めに調律、今日は高橋さんの笛はピッチが低めと言う事で415より少し低めで調律するものの秋晴れの乾燥のせいかチェンバロのピッチがドンドン下がる。今日は低め希望の方だったので助かったものの昨日が今日のような乾燥ならピッチを維持するのが大変だったかも・・・。
後半はチェンバロソロでラモーとバッハをジャーマンチェンバロで熱演。そういえば楽屋を拝見したら古いベヒシュタインのグランドピアノが2台あり、事務所に由来を訊ねるも「何も判りません」との返事。どうも昔の上野の先生の遺品かも。1台はダルマ脚の立派なピアノでしたが。誰か由緒知りませんか? もうひとつ不思議な事は、リハの最中に事務所の方が「モニターで聴くとチェンバロ以外にモダンフルートの演奏が聴こえるのですが誰の演奏ですか?」との問い合わせあり。はて?リコーダーの高橋さんは楽屋で休憩中、舞台では脇田さんがチェンバロソロの練習中、誰もフルートなど演奏していないのに何故かモニターからはフルートの音色が聴こえたとの事。素晴らしい演奏に奏楽堂の何者かが反応したのかも・・・(怪談話になってしまいましたが)
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