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30日、久々の神戸で街中から離れた最近評判の中華店を探訪。昭和20年代から神戸の老舗を渡り歩いたという名コックが開いたお店で上品な神戸の中華の味覚を堪能。品数が多いのにたった千円とは驚き。
食事後はディープな神戸エリアの元町高架下を散策。昔は怪しげな店ばかりだったのが、最近はオタクの街に変貌か?
今でも残る電気製品のジャンク屋。昔はカラーテレビの部品から出た真空管を漁ったモノですが、最近は今時誰が使うのか中古ワープロを積み上げた店も健在。
最近人気はオタク向けのお店か。様々なフィギアが所狭しと並ぶマニア向けのお店多し。ジャンクの骨董品の店は少なくなったモノの、相変わらず不思議な店は多い高架下でした。
29日、今日は朝から大阪鶴見区のホールで大阪市の推薦演奏家の選抜オーディション。ピアノやチェンバロのソロ、管弦楽器や歌でのエントリーの中で2台ピアノDuoが一組。ほとんど使っていないという2台目のピアノは調律師もビックリの調律の狂い。(最後の調律は寒い頃だった様子) ただ予算の関係か(?)調律は1台のみという厳しさ。いくらやってもピッチが合わない2台のピアノを前に調律師の方は少々青褪めていた様子。(2Hzは違っていたゾ)
今日のオーディションのチェンバロ演奏は大阪出身パリ在住でO・ボーモン門下のH嬢。パリの最新情報を色々聞かせていただく。
今日出動のジャーマンチェンバロ、実は今日初めての組立方法を実施。先日の洋行で発見のオリジナル様式。違いはどこか判りますか?(ネジリ脚に注目)
28日、軽井沢最後に日も早朝から散策。宿泊の家の数軒隣にJレノンが暮らしていた別荘があるとの事。観光名所になっても良いはずが誰も訪れていない静かな様子。
そのレノン氏が頻繁に訪れていたというパン屋が美味しいとの事でその「フランスベーカリー」に毎朝散歩ついでに日参。人気の無い早朝から開いているのがウレシイ!
観光客で朝から賑わう有名パン屋はもちろん店内に世界的スターの写真を一杯並べご贔屓だった事を盛大にアピール。
実は目の前には今や軽井沢で人気No.1のパン屋「浅野屋」もあり、激しい客引き合戦を展開中。今朝はどちらが美味いか両方のパンを買い込み食べ比べするも、あまり優劣がつかず。焼きたてのパンに出会うと流石に美味しいのですがね。午前中に軽井沢出発、昼前に東京に戻り楽器をスタジオに戻し。涼しいながら湿度80%近い「水冷」の軽井沢でタップリ吸い込んだ湿気を慎重に抜き取り。スタジオでのオルガンリハーサルの後、今度は神戸へ移動。
27日。軽井沢4日目は音楽を離れて観光客で賑わう街並みをゆっくり散策。昨夜のコンサートにいらしたお客様より「宿泊のホテルのロビーに凄く貴重なフォルテピアノがありました!」との情報を頂いたので早速探索。何やらホテルの楽器はトンでもなく由緒ある楽器との事で期待して見てみると・・・。
装飾の豪華なエラールピアノに「王妃マリーアントワネットのピアノ」との説明が。はて、マリーアントワネットは1755年生まれで1793年に亡くなったはず。これが王妃愛用のピアノなら日本でも貴重な18世紀のオリジナルピアノか。また18世紀後半に鉄骨フレーム使用の楽器が発明されていたのなら世紀の大発見!ピアノの歴史を半世紀も塗り替える画期的なピアノが軽井沢に眠っていたとは!
内部の製造番号を確認するとどうやら1902年製造のエラールピアノとの事。そうするとマリーアントワネットは20世紀まで密かに生き延びていたのかな・・・(笑)。避暑地を訪れるミーハー観光客相手の安易な客集めの看板か。筋金入りの音楽愛好家の別荘族はこんなホテルには来ないだろうとタカをくくっているのかも。このホテル、以前は「ホテルエラール」と名乗っていたそうな。看板代わりの楽器だったのに随分サバ読みだったのでは・・・。
午後は軽井沢散策ついでに残響0秒のサロンの主でもあるK氏と演奏家O氏と一緒に、残響7秒のサロンを表敬訪問。W嬢とO氏のオルガン談義や男性陣の生い立ち談義で時間を忘れ歓談。
夕方からはコンサートに来られて大変感動しましたとのご近所のお宅へご招待。自然に囲まれゆったりと過ごされている軽井沢別荘族の優雅な1日を垣間見れました。ご年配の音楽愛好家の皆さんと過去の数々のコンサートのお話をお聞きするも「あの時の日響(今のN響の前身)の演奏が良かった」「日比谷公会堂で大御所の○○の演奏聞いた」「武満徹の子供時代を知っている」などと興味深いネタ連発でこちらは大興奮。レオ・シロタなどの戦時中に強制疎開の外人著名演奏家を実際に身近に見たというお話などはもう近代日本洋楽史そのもの!いやはや筋金入りの軽井沢別荘族には恐れ入りました。
26日、今日も早朝から涼しい軽井沢の別荘エリアを散策。夜のコンサートのために猛練習の演奏家を横目に、優雅なターフェルムジークを聴きながら同じ別荘に宿泊のお客様と楽しく歓談&食事。もしかしてコンサート以上に贅沢な時間かも?
今日は本来はチェンバロのみの予定が、前日フォルテピアノの音色を聴けなかったお客様へのサービスという事で急遽2台の楽器両方を演奏となる。
練習中に裏では連夜のパーティーの食事の準備。力作の料理を見るともう「打ち上げ付きのコンサート」というよりは「演奏付きのディナーパーティー」なのかも。
大井浩明氏のコンサート第2夜の前半は、昨日に続きフォルテピアノでのモーツァルトのソナタ。前夜のアンコールを全楽章演奏。今日は少し爽やかですねとの事でも70%以上の湿度で2台調律は難易度高し。
後半はチェンバロでバッハのゴールドベルグ変奏曲。毎回感心するのはこのコンサートに参加のお客様の集中力。すぐ傍で演奏家の息遣いまで感じられるせいか、演奏家と一体となっての緊張感が心地よいのかも。
終演後は今夜も豪華な料理に皆で舌鼓。コンサートは終了との事で宴会終盤で皆にお手伝いいただき2台の楽器を車に積込み。少し飲酒運転ならぬ飲酒楽器運搬になるも無事積込み。後はゆっくり料理とお酒を満喫。深夜パーティーのお開きになると「今から東京へ」「浜松へ」などとおっしゃる勤め人が何人も現れビックリ。そういえば明日から平日で堅気の方はお仕事でしたね。皆さんこのコンサートを本当に楽しみにされていた様子。
25日、昨夜到着の旧軽井沢の個人宅で朝から寒い位の木立の中をゆっくり散策。午前中は夜のフォルテピアノコンサートのためのリハ調律。自然の中のお宅と言う事で気温は低いが湿度80%近いので楽器が驚いている様子。
午後からは同じ軽井沢の新しいサロン「VILLA CECILIA」でのコンサートを表敬訪問。花井哲郎・及川豊両氏の歌と和田純子Orでグレゴリオ聖歌を演奏。満員のお客の中でも美しい残響の贅沢な響きが素晴らしい!
夜はK氏のご自宅でホームコンサート。この企画、熱狂的な音楽ファンのオーナーが毎夏に知人を軽井沢の別荘に招いての手作りコンサート。40回を迎えるという今年は近所の方だけでなく関西を始め全国からこのコンサートを楽しみに来訪の方で満員。普通の部屋での演奏なので楽器傍の床に座り込む方や演奏家の後ろ30cmという砂カブリ(?)で迫力ある音を堪能出来る方などギュウギュウ詰めながら老若男女皆楽しそう。
今夜のコンサートは大井浩明氏のフォルテピアノによるモーツァルトのソナタ。大きな音量が必要なホールと違って、カブリツキの席ではどんな繊細なピアニッシモでも聴こえる贅沢さを体験。
コンサート終了後はすぐに客席が打ち上げパーティ会場に大変身。皆さんご自慢の料理を持ち寄っての大宴会。飲んで食べて喋ってと涼しく静かな山中で時間を忘れて楽しいひと時。多彩なジャンルのお客様ばかりでどの方のお話も興味深く感心しきり。
23日、約一ヶ月振りに東京で事務仕事。溜まりに溜まった用件をウンウンと唸りながら処理。(皆様ご迷惑お掛けしております) 午後に息抜きで本屋へ。最新の音友を眺めていると、表紙は何と6月に来日公演をお手伝いしたオランダの老マエストロ。こうやってアップで見るとお顔に闘病の形跡が。(シワが増えた?) しかし80歳直前でもまだまだ元気な様子はブルージュでも確認してきたばかり。取材の写真に我がチェンバロのアップもあり思わず記念に買ってしまいました。(久々の購入か) そういえば写真嫌いの老マエストロには珍しくリハ中に皆バシバシ撮影しておりました。音友の表紙もバックステージでの簡易背景を使っての撮影でしたし。都留音楽祭でご一緒だったW先生から聞いた話では、このコンサート終了後飲みに行こうとW先生夫妻と老マエストロが一緒のタクシーで移動中、老マエストロは先ほど弾いたばかりの曲を鼻歌で歌っていた程上機嫌だったとの事。楽器を提供した者にとっては嬉しい限り。午後は寺神戸亮氏の事務所のO嬢とお茶。寺神戸氏の最近の奮戦振りを伺う。北とぴあ音楽祭の寺神戸氏指揮のオルフェオ公演が楽しみ。私はチェンバロ・オルガンの計5台を提供と大仕事ですが・・・。
21日、いよいよ今年の都留音楽祭も最終日。5日間の成果を披露するセミナー受講生コンサートは地元の小中学生のリコーダーアンサンブルの演奏からスタート。次に本格的な衣装を着けた上、講師陣の伴奏を伴っての贅沢なバロックダンスの受講生のステージ。
最後は受講生全員参加(講師やスタッフも参加)でヴィヴァルディの「グロリア」を演奏。初心者からプロまで同じステージで共演出来るのが素晴らしい!
アッという間の5日間、個人的には小島芳子さんのために作られたという堀栄蔵氏作の2台の兄弟チェンバロの初めての共演が興味深かったです。1台目は最初小島さんのために製作したものの訳あって岡田龍之介氏の所有に、2台目は小島芳子さんの所有となった楽器で、ほぼ同じモデルなのに個性の違いがはっきり出てました。また同じ部屋に置いていたにも関わらず何故か調律の変化がバラバラ、兄弟の初対面で照れたのかご機嫌が悪くなったのか判りませんが、結構最後まで2台の調律を揃えるのに苦労しました。最終日には受講生が2台Duo演奏をランチタイムコンサートで披露。広い空間で聞く2台は個性の違いも感じましたがやはり同じ製作家の音色だと納得。
音楽祭終了後、「また来年会いましょう」との皆の笑顔での挨拶を横目にチェンバロ12台を汗ダクで積込み。夜やっと目白に帰還。自然溢れる都留で湿気をタップリ吸い込んだ楽器を丁重にスタジオに戻し5日間の音楽祭がやっと終了。
21日、都留音楽祭もいよいよ後半戦。今日は東洋古楽コンサート(ガムラン演奏)と甲府古楽コンクール入賞者コンサート(小池まどかVn・山本徹Vc/土居瑞穂Cem)、最後にクロージングパーティとイベントが目白押し。他にも昼食はうどん、蕎麦などをホールのスタッフが猛暑の中準備(ご苦労様!)。手作りの音楽祭ならではの風景です。
夕方からまずは東洋古楽コンサート。珍しいガムラン楽器が舞台に並び時間の流れを忘れるような心地良い演奏。(実は私は夜の宴会芸のゲネプロ!の方に行っていたのでほとんど聴けなかったのですが・・・)、続いて甲府古楽コンクール入賞者コンサート。2年前の入賞者の小池まどかさん(Vn)と山本徹さん(Vc)が共演。Cemは土居瑞穂さん。長髪から丸坊主になった(何故?)山本氏の変身振りにちょっとビックリしましたが。
夜は参加者全員(多分?)の音楽祭一番の楽しみ、クロージングパーティー。実は講師陣を中心とした大隠し芸大会なのですが・・・。
宴会部長つのだ氏の恒例のノリノリの「ラ・バンバ」でスタート。
続いて「つのだたかしと喜び組」の演奏。波多野さんの歌と珍しいハーディーガーディーとリコーダーも参加。演目は「ボロボロのジプシー」
途中で「喜び組」の秘密兵器のダンサー2人がお色気タップリで登場。
客席に乱入のダンサー達は何故か大竹先生を舞台に引き上げ濃厚(?)なダンスをサービス。照れる大竹氏。
続いてはこの人を見なくては都留に来た甲斐が無い(?)。スミレ氏のバレーダンス。念入りのお化粧も凄かった!
3番目に登場は、過去「お琴ブラザーズ」として活躍した山口隆之氏率いる「山口組」。岡田龍之介(Cem)D・ハッチャー(Vg)中村忠(Ft)山口隆之(Vn)の古楽器アンサンブルに、今回音楽祭初登場の群馬のCem・Vg奏者の渡辺敏晴氏が和服姿で胡弓を演奏。山口さんの奥様が不思議なバロックアンサンブルをバックに「津軽海峡・冬景色」を熱唱!
宴会芸のトリはもちろん「浜中組」。まずは御馴染み伊藤誠氏の1/32のチビヴァイオリン演奏。伴奏は実はピアノ奏者でもある浜中康子さん。
次は中島俊夫氏が歌で参加。パーティーに参加出来なかったイタリアからの美人歌手の写真を胸にこれまた熱唱。
今年の大トリのネタはこれ!「ビリーズブートキャンプ」の実演。肥満系代表で中村忠・中島俊夫両氏、筋皮系代表で福沢宏・岡田龍之介の両氏が登場。
ただの宴会芸なのにミラーボールが回る中、伊藤氏のコーチの元に激しいトレーニング(?)。最後はアンコールで会場の受講生も舞台に上がり、皆で激しいダンスを再び披露。
実はダンスに参加の講師陣、コンサートの練習もソコソコに空き時間は熱心に振り付けを練習していたそうな。「脚腰が悲鳴をアゲテイル!」と言いながら何故か皆嬉しそうなのは何故?最後のダンスのBGMは浜中さん自作自演の「ブートキャンプ風ヴィヴァルディのグロリア」だったそう。宴会芸のプロに脱帽!
19日、昨日の涼しさから一転またもや恒例の「都留地獄」の暑さに逆戻り。でもこれでいつもの雰囲気が戻ってきたかも。
チェンバロ岡田先生のクラスでデュオのレッスン用の2台のチェンバロ。堀栄蔵氏作の楽器は小島芳子さんが注文した兄弟の2台(最初の1台は訳あって岡田氏所有へ、続く2台目が小島さん所有)。生まれは同じながら育ちの差が音色で判り興味深かったです。
夜は今回の音楽祭のゲストのイタリアのソプラノ歌手Roberta Mameliさんのリサイタル。まずはつのだたかし氏のリュート伴奏でしっとりとS・ディンディアやカッチーニ。ガンバのD・ハッチャー氏も交えてG・F・サンチェス。Vnの渡邊慶子・伊藤誠、VgのD・ハッチャー・福沢宏、Cemの戸崎廣乃の各氏のアンサンブルでC・D・コッソーニ、C・モンテヴェルディ、A・ヴィヴァルディなどを演奏。初めて拝聴するMameliさんの透き通るような美しくよく通る声にまずはビックリ! 出演者は忙しいレッスンの中での短いリハーサルながら、彼女と日本勢との呼吸もピッタリで美しく濃厚な演奏を披露。
コンサートのハイライトは最後のイタリアと日本の歌姫のモンテヴェルディの競演でした。初めてと思えない溶け込む2人の歌声。もう永遠に終わって欲しくない!と思えるほどの「至福の時間」。もう今年最高のコンサート(のうちのひとつ)として長く語り継がれる(はず?)素晴らしい演奏に立ち会え幸運でした。これが都留音楽祭だけというのはいかにも惜しい! またの再演を切に願います!
コンサート終了後、またもや宿舎で深夜の大宴会。狭い部屋に何と30人以上も押しかけ遅くまでワイワイ。リサイタルを終えたMameliさんも初参加で「日本式宴会」(都留式か?)を初体験。受講生が本各地から持ち寄った山海の珍味や新鮮な野菜、ご贔屓の世界の銘酒などを堪能。実はこれが目当ての受講生が多いかも・・・。
18日、都留音楽祭のレッスンがスタート。ホールの舞台、楽屋、ロビーなどあらゆる場所がレッスン会場に。早朝から受講生も元気に練習、昨日の酒が抜けない(?)調律スタッフもカラ元気で12台のチェンバロ・フォルテピアノを慌しく調律。(1時間で1人4台も・・・)
今回はイタリアからのRoberta Mameliさんがゲスト講師。まだ若いながら相当の実力の持ち主のよう。明日のリサイタルが楽しみ。
個別のレッスンの後は受講生全員によるアンサンブル練習。ヴィヴァルディの「グロリア」を100人近くで演奏。
同時進行で明日のRoberta Mameliさんのリサイタルのリハーサル。渡邊慶子・伊藤誠(Vn)、福沢宏・Dハッチャー(Vg)、つのだたかし(Lu)、戸崎廣乃(Cem)という伴奏陣。
雨の中、迎えの車を待つ講師達。時間つぶしに19世紀ギターを奏で歌うTさん。曲な何故か70年代フォークの「山崎ハコ」でしたが・・・。
宿舎では今日も深夜まで宴会が続く。音楽監督をはじめ講師陣の皆さん遅くまで元気!
17日、今年で22年目となる都留音楽祭が今日から5日間レッスンやコンサート、そして実は一番楽しい夜の大宴会と盛り沢山のメニューでスタート!最初のコンサートは講師陣による豪華リレープログラム。チェンバロも6台並ぶ贅沢さ!(調律が大変ですが)
渡邊慶子(Vn)・中村忠(Ft)・福沢宏(Vg)・岡田龍之介(Cem)によるテレマン・パリ四重奏曲第1番。ずらっと並ぶチェンバロ・フォルテピアノをバックに講師が熱演。
バロックダンスの浜中康子、伴奏は中村忠(Vn)渡邊慶子・伊藤誠(Vn)ディヴィッド・ハッチャー(Vg)岡田龍之介(Cem)中嶋俊夫(テノール) 本番の衣装をお見せ出来ないのが残念。
小倉貴久子はクリストフォリタイプのフォルテピアノでジュスティーニのソナタを演奏。最近日本でもこの初期フォルテピアノの楽器が増えてきたのは嬉しい限り!
D・ハッチャー(Vg)、波多野睦美(Sop)、岡田龍之介(Cem)でGirolamo dalla Casa の <「別れは辛いが」によるヴィオラ・バスタルダのためのディヴィジョン> チェンバロを担当の岡田氏は毎曲楽器を替えての贅沢な演奏。
大竹尚之・吉澤実(R)、福沢宏(Vg)、岡田龍之介(Cem)によるテレマン「トリオソナタ ハ長調」 今年も聴けたベテランリコーダー奏者のそろい踏み。
波多野睦美(Sop)、つのだたかし(19世紀ギター)による Fernando Sor の歌曲。
夜も恒例の調律スタッフの部屋で大宴会。皆それぞれご自慢のお酒や肴を持ち寄り深夜まで盛り上がる。初日ということで秘蔵酒が次々登場の様子。
16日、昨日に続き早朝に目白出発、今日は軽井沢へ。お盆休みの人気の避暑地という事で大混雑を覚悟して乗り込むも幸い時間が早かったのかそれほど渋滞せずに到着。それでも朝9時頃にはもう中心街のお店には観光客がチラホラ。今日は先日スタートした素晴らしい音響のサロン「Villa Cecilia」でポジティフオルガンの調律。
今年の猛暑で涼しいはずの軽井沢でも結構暑い!ポジティフオルガンのピッチも上昇中。コンクリートに囲まれた地下室だったのですが。
昼頃街中に出てみると、もう軽井沢中車で大渋滞。この時間に軽井沢に到着していたら大渋滞の列に恐れをなして引き返していたかも・・・。(峠から10kmを越える車列!) お盆休みの大渋滞の恐ろしさを存分に味わいました。(幸い反対車線でしたが)
15日、終戦記念日&お盆。早朝目白を出発し伊豆の伊東へ向う。ガラガラの都心を抜けてルンルンで小田原を通過後、海水浴場がある海岸に差し掛かるともう大渋滞。朝8時なのに何故かビーチは車も人も一杯の様子。朝から海水浴&日光浴の皆さんご苦労さん!予想の倍の時間を掛けてやっと目指す伊東のお宅へ到着。渋滞でちっとも進まない車中でも美しい海の景色を眺めてちょっとバカンス気分を堪能。でもお盆休みの大渋滞の中伊豆行きは無茶なスケジュールだったと反省。(でもこの日しか空いていなかったし・・・)
伊東到着後、まずは某所でヨーロッパ生まれのチェンバロのご機嫌伺い。丁寧に調整していく内にヨーロッパの音色が戻りだしたよう。作業後楽器を積込み今度は都心へ逆戻り。
帰りは朝よりもっと凄い渋滞ですよと脅かされ、海沿いから迂回路としてお勧めの伊豆スカイラインを通って箱根経由で都心へ。確かに渋滞はありませんでしたが結構山深く今度は山頂からの絶景を堪能。遠回りながら行きより少しは楽に都心に戻り、チェンバロを新しいお宅へお届け。一戸建ての狭い階段上げという厳しい作業ながら奇跡的に楽器を無事搬入完了。その後別の楽器を引取に川崎へ。某氏のこの夏の旅行トラブル事件を家人の方から拝聴。不運と幸運をミックスしたような結末だったそう。夜都心に戻るも道路はガラガラで驚くほど走り易い!お盆休みの明暗を同時に体験出来た1日だったかも?
13日、お盆休みの国民大移動の真最中ながら朝神戸を出発。名神高速は大渋滞かも?といつもは遠回りで使わない名阪国道で東へ向う。三重県に入るとパーキングで見つけた「伊勢うどん」で朝食。このうどん、腰の無い(!)ブヨブヨとした太い麺に、味の濃いダシをカラめただけで食べるという代物。「美味しい」という定義から外れっぱなしの特徴ながら味や食感もやはり「ハズレ?」 でもそのハズレ感を確かめたくて見つけると食べてしまいます。(中毒症状でもあるのかも)
名古屋の高速の新しいサービスエリアでは卸売り市場並みの海産物や農産物の大売出し中。皆車で移動なので結構沢山の魚や野菜を買い込んでおられましたね。蛸であふれる水槽。
暑いながら好天の道中も、絶景ポイントの富士山は残念ながら頭のみ見える程度。
予想より少なめながら結構な渋滞を乗り越え夕方やっと目白に到着。椎名町の贔屓の小さな洋食屋で夕御飯。老夫婦で細々と経営の店ながら結構繁盛の様子。
12日、朝から関西の両親と共に東大阪の親戚のお宅訪問。生駒山麓の旧道の急勾配の狭い道に四苦八苦。「無理して狭い道に入ってしまい立ち往生でよくJAF呼んではりますな」との事。カーナビの通りに進むとエライ事になったかも。続いて大阪上六に墓参り。大阪有数の寺町はお盆近しとの事で結構賑やか。
墓参りの後は両親の案内で大阪の老舗「美々卯」へ。200年の歴史を誇るうどんの老舗も、長年大阪道修町の製薬会社勤めだった両親にとっては「浪速の馴染みの麺屋」との事。昼食時ながら待たずに店内へ。(これが関西で嬉しい!) 多くの墓参りのお客が名物「うどんすき」などを食する中、お代わりし放題の「賑わい蕎麦定食」を頂く。天婦羅、刺身、山掛け、薬味など麺の定番を食べ放題の蕎麦(饂飩へのチェンジもOK)と頂くいかにも「浪速の満腹定食」を堪能。さすがにナニワの猛暑の中、名物「うどんすき」には手が出ませんでしたが・・・。道修町勤務が長い「浪速人(?)」の両親からナニワへの深い愛着が伝わる興味深い1日となる。神戸育ちを自認する私の体にも浪速の血が相当含まれている様子。
11日、今日はイギリスからの客人と共に朝から丹波へ。まずは立杭焼の近くの古民家を改造した蕎麦屋へ。最寄の駅から徒歩30分(!)という不便な山里に隠れるようにあるお店ながら、結構マスコミで有名だし連休中という事で開店前に一番乗り。
しっかりとした手打ちの蕎麦を温かみ溢れる食器(立杭焼き?)で頂く。結構麺の量が多いのだが、久々の和食なので思わず2人前を注文。
イギリスからの客人も、古い農家の中で囲炉裏や火鉢に座って食べる美味しい蕎麦を大いに堪能された様子。開店後すぐにほぼ満杯になるも、手打ちなのですぐには出てこない。2番手の客は我々がゆっくり食べ終わる頃になってやっと出てきておりました。まあノンビリ時間が流れている店なので待つのも苦にならないのですが。
田舎の蕎麦を楽しんだ後は、篠山の街を散策。デカンショ祭り直前ということでいたるところ準備で大忙しの様子。その後、篠山の街外れの廃校跡を転用した子供博物館を訪問。子供向けの多彩な展示や施設の他、懐かしい昔の給食の資料もあり同世代の給食の好き嫌いなどで盛り上がる。猛暑の中でも自然溢れる山間の木陰での昼寝は最高!帰りは花火大会に巻き込まれ渋滞の中やっと帰還。
10日、ホールへチェンバロ搬入の前に久々の神戸と言う事で中心街の老舗中華店でランチ。お洒落な内装でしっかりとした味の料理を出す店ながら、花金の真昼間に訪れても並ばずゆっくり食べれるのが神戸の良い所か。このボリュームで1000円もしないのが嬉しい!
先日の代々木のお洒落なホールも7階と眺めは良かったですが、今日は港町神戸の海沿いのホテルの16階の会場なので、晴天で遠くは淡路島から大阪、泉州まで視界は良好、まさしく絶景でした。
今日は神戸市室内合奏団の「星空コンサート」(神戸ポートピアホテルレインボーの間)。18時開演ということで最初はまだまだ明るく星空は見えない!「星空」ではなく「夕暮れ」コンサートだったのでは・・・。
7日、都心某ホールで翌日のコンサートのリハーサル。ロビーから新宿の摩天楼が見え夜はまるでデートスポットか?(夜景は最高!) ちょうどリハと同じ頃、屋上で月9の人気TVドラマのロケやってますとの事で、「どんなスターが来てるの?」と訊ねても「○○と××ですよ!」。テレビを見ない私には知らない名前ばかり・・・。昔NHKTVのドラマの大道具の仕事をやっていた事があり、ドラマを見ると背景セットの出来不出来ばかり気になり、中々ストーリーに集中出来ない性分なので滅多にドラマは見ないんです。
コンサートはギターをメインにスペイン音楽の特集で、今日のリハはギター(大萩康司)とチェンバロ(曽根麻矢子)の共演。ボッケリーニ、ソレルなどの夏に相応しい「熱い!」音楽が凄い!曽根さんのヘアーも夏向きに素敵にチェンジされてました。
大萩氏ご自慢の楽器は、何と1834年ガダニーニ作のオリジナルのギターとか。その立ち上がりのシャープさと良く通る音色が素晴らしい!
6日、朝から旅行の残務処理。その後しばらくスタジオで冬眠(夏眠というべきか・・・)していたチェンバロ・フォルテピアノ達のご機嫌伺い。ヨーロッパの音に慣れている我が耳にどんな風に聴こえるか調律しながら緊張の一瞬。久々に触れる我が楽器達の音色は幸いほとんど違和感無く聴こえ一安心。ヨーロッパのような石の床、高い天井、広い部屋は羨ましい限りですが、スタジオで湿度温度を出来るだけヨーロッパに近づけようとの努力が無駄では無かったようです。
こちらは我が調律ハンマーが勢揃い。先日のブルージュの楽器展示会で新たに3本も購入。ヨーロッパで人気のイギリス製の手作りハンマーがこれでもう5本に増加。精密で素早い調律が可能とのことですっかり惚れ込んでおります。夕方から長時間の空の旅でエコノミー症候群一歩手前の我が体のメンテナンスのため鍼治療。腰痛という爆弾を抱えるため早目の用心か。
4日、アムスのスキポール空港から帰国の途へ。広い空港で目立つのが日本食レストラン。スシバーはヨーロッパ人の利用客も多い様子。テイクアウトのスシパックも充実しているが何しろ高い!日本なら200円程度のモノが3~5ユーロ。あちらの方のビッグストマック(?)にはこんな量では物足りないはずなのに?値段だけは築地の高級店並みか。(ネタはどうみても100円スシ程度)
こちらもアムス空港内の麺屋。ラーメンが14ユーロ(!)もしてました。日本のボッタクリ高級蕎麦屋でもこんな値段にはならない・・・。そういえば昔ヨーロッパに行く際、給油地として皆アラスカのアンカレッジに立寄りましたが(年配の方覚えてますか)、もう8時間我慢すれば本物の上手いうどん・ラーメンが食べれるのに、その8時間が我慢出来ずアンカレッジの外人調理(だった記憶が・・・)の不味い1000円もするボッタクリ麺を皆食べたものでした。もしかすると今やオランダ人にはスシやうどんは高級料理に見えるのか?
5日朝、やっと成田に戻ってきました。空港のビルを出た途端、倒れそうになるほどの熱気。暑くても日陰に入れば多少涼しいヨーロッパと違い、日本の日陰はちっとも涼しくないぞ。暑さで溶けそうになりながらやっと目白に帰還。買物に出かけると近所のネコも暑さでグッタリの様子。カメラを向けても動こうともしない・・・。嗚呼、ブルージュに戻りたい!
3日、昨夜に引き続きブリュッセルのロベール・コーネン氏のお宅でオリジナルチェンバロの至宝1755年製のデュルケンを拝見。今日は貴重な楽器を自ら調律させていただくも、現代の楽器と違い個性豊かな音を慎重に揃えていく難作業か。それでも単音でも心に響く音になるオリジナルチェンバロの魅力を存分に味わいながらの至福の時間となる。
もう1台ロベール氏所有のこちらは現代のフランスの名工アンセルム作のフレンチ。こちらも日本では体験した事がないような音量と音色の鮮烈さに驚嘆。何が日本と違うものかと思案しながら2台を丁重に調律。
ブリュッセルを発つ前に「是非君が体験すべき音があるぞ」ということで、ロベール氏の案内で街の中心部の大きな教会にあるベルギーの製作家コロン氏作の中型のパイプオルガンを訪問。またもや御大自らそのパイプオルガンを演奏していただく。1段鍵盤、プルダウンの足鍵盤のシンプルな規模の楽器でもこれほど豊かな音がするのかとまたもや感心。
昼前にブリュッセル出発、今度はデンハーグのミュージアムの楽器コレクションを見学へ。御馴染みのトラムに乗ってご機嫌で博物館へ向うも・・・
何と有名なチェンバロ・フォルテピアノの膨大なコレクションは現在展示を休業中との事。折角ハーグまで来たのにガッカリ。今はたった2台の楽器が家具に挟まってヒッソリと展示されているだけでした。今後見学される方はご注意を。
2日、展示会場から楽器搬出の現場に遭遇。皆さん遠方から沢山の楽器を運送の様子。積込みに結構手間取ってました。でもヨーロッパの車は大きくて羨ましい!
ブルージュ最後の日のコンサートはロシアの実力派A・ルビモフ氏とY・Martynov氏の師弟コンビによるフォルテピアノデュオコンサート。5オクターブの楽器2台とさらにタンゲンテンフリューゲルの計3台を使うという贅沢さ。確かルビモフ氏は昨夜最後までパーティー会場にいらっしゃったはずなのに元気に演奏。皆さんタフですね。タンゲンテンフリューゲルの軽やかで多彩な音色変化が素晴らしい。(多分相当演奏は難易度が高いはずなのですが・・・)
午後にブルージュからブリュッセルへ移動。長年の友人でもあるベルギーの至宝ロベール・コーネン氏のお宅を訪問。ご自慢のオリジナルチェンバロのデュルケンを目当てでお伺いするも早速御大自らの演奏でお出迎えという至福の時間を過ごす事に。さすが世界有数の現役オリジナル、宝石のような輝く音色がチェンバロから舞い上がる様に心が揺さぶられました!
今年のブルージュチェンバロ・フォルテピアノコンクールの本選結果の明細です。チェンバロ部門は、一位無しの二位に JULIEN WOLFS(ベルギー 聴衆賞も受賞)とFRANCESCO CORTI(イタリア)の二人、三位に松岡友子(在ミラノ).四位にSUSAN TOMAN(カナダ)、五位に山本ますみ(在ロンドン)。 結果としてはライプチヒのコンクールの覇者イタリアのCortiが地元の声援に推されて好演したベルギーのWolfs氏と2位を分け合い、3位に日本人離れの躍動感溢れる演奏の松岡さん、4位は手堅い演奏のカナダ人Tomanさん。5位にはニュアンスに富んだ独特のスタイルで好演の山本さん(オーストラリア育ちのロンドン在住との事)という順列となりました。
フォルテピアノ部門は、二位にSTEFANIA NEONATA(イタリア)が一位無しの二位(聴衆賞も受賞)、ALEXANDRA KORENEVAとOLGA ANDRYUSHCHENKOの両ロシア勢が三位。
一番美しい音色だったイタリアのNeonata氏が2位、ダイナミックな演奏でモダンピアノのモスクワ流派を彷彿とさせるロシア人が3位に2人共入賞。今後もロシア勢の躍進が続く気配か・・・。
何よりも21年振りのチェンバロ部門での日本人の受賞の快挙が嬉しい限りです!
授賞式の後2次通過の景品を早速披露してくれた村上暁美さん。綺麗な表紙の記念品の中には何と・・・
賞金がキャッシュでそのまま入っていたそうです。「味も素っ気もないなあ~」
授賞式の後は恒例の打ち上げパーティーが深夜0時半からスタート。美味しいブルージュビールやワイン、おつまみなどが食べ放題呑み放題という太っ腹の主催者。(これが一番楽しみかも・・・)審査員や製作家、コンクール参加者、そして何故かこのパーティに合わせて(?)世界中から集まってきた古楽関係者など大勢が一堂に集まり時間を忘れての賑わいが続く。
放っておくと朝まで続きそうと、主催者は最後は電気を消して散会を促すもそれでも話の花は咲き続けた様子。宿舎帰宅は何と午前2時過ぎ!いつまでも続くコンクールの熱気と皆の熱意が素晴らしい!(でも眠い!)
1日、夕方からのコンクール本選を控えて空き時間にアントワープの博物館を訪問。最近大幅に展示が変わったのかチェンバロなどの台数がかなり減ったようで残念。看板のグラーフのオリジナルは修復中なのか姿は無し、同じくヒズメ脚のデュルケンも噂ではトラブル発生でフタを閉めての展示。全体は新しくなったものの古楽器関係者には寂しくなったかも?
ただ所蔵楽器のトラブルの原因解消のためかアチコチに除湿器(加湿器?)があって脚の踏み場も無い状態か。(大げさですが・・・) 昔豊富にあった楽器関係の書籍も跡形も無くなっていて残念。
いよいよ始まる本選、チェンバロ部門は課題曲がラモーが中心という事でフレンチモデルが3台登場。1台は5人中3人も使うと言う人気振り。ただ演奏家によってこんなに音量と音色が違うものかと改めて認識。1人づつ楽器が交換となり調律師も大変な様子。
フォルテピアノ部門は審査員の要望で全員同じ楽器になったとの事。ただ豪快なロシア勢の演奏で調律が中々大変だった様子。こちらも同じ楽器かと疑うほど音の違いがテキメンでした。本当にフォルテピアノらしい音を出していたのはイタリア人だけだったかも。
大ホールでのコンクールとなり、審査員は客席中央に陣取り熱心に審査。客席後部まで音を飛ばせる人と届かない人の音色の差が歴然と判るので審査し易いのかも。
31日、昨日夜にコンクールのファイナル出場者が決まり今日は一休み。昼のコンサートに御大レオンハルト氏が登場。闘病からの奇跡の復活のお蔭か大ホールを一杯にする人気も凄いが日本公演より更に元気な演奏にビックリ。(最初は他の審査員と一緒の小ホールで開催予定でしたがあまりの人気からか大ホールに会場変更) 終演後に勲章授与式もあり御大の再起を祝う華やかな一時でした。
午後はコンクールはお休みなのでブリュッセルの楽器博物館を訪問。3年前から楽器の配置が少々変更になった様子。ここは至近距離で楽器を観察出来るのがありがたい。チェンバロやフォルテピアノの銘器を改めてゆっくり鑑賞。
新しい展示としては2003年に急逝したベルギーのチェンバロ製作家の名工Ivan Halleuxの遺作の展示(現代の作品が博物館で展示されるとは!)と、彼の残された工房をそっくり移転復元した「チェンバロ製作工房」が興味深い。改めてベルギーでの彼の評価の高さを痛感。
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