老マエストロの残り香 其の弐
28日、スタジオで楽器調整の予定が急遽オルガン練習のためWさん来訪。3日前の老マエストロのリサイタルで使ったまま冷凍保存(フタを開けずにいただけですが・・・)していたイタリアンを恐る恐る試奏。保存状態が良かったのが幸いし、調律も音色もほぼリサイタルのままの状態、しばらくWさんが17世紀の曲を演奏すると確かに霞みの中で香り立つような別世界の音色が出てくる!しかし18世紀の違う雰囲気の曲を演奏するとまるで夢から醒めたように音色が激変、老マエストロが我がイタリアンに掛けた魔法が解けた瞬間を垣間見たような気がしました。老マエストロ直々の調律を楽器解凍中にチェックしてみるものの、我々が普段調律するような「純正ミーントーン特有のエッジのある響き」ではなく「どんな曲にもまろやかに響くミーントーン」との印象あり。やはり老マエストロの演奏にはまだまだ「秘伝の隠し味」が沢山あるのかも。
« 池袋に響くバッハ&シューベルト | トップページ | 上野で2台チェンバロの競演 »
「チェンバロ」カテゴリの記事
- 師走恒例ゴールドベルグ変奏曲(2024.12.10)
- ご機嫌伺いしてみると(2024.12.09)
- 無事帰国(2024.12.08)
- ハンブルグ美術工芸博物館(2024.12.06)
- ベルリン楽器博物館(2024.12.05)
コメント