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2007年1月18日 (木)

大地震からチェンバロを守る

18日、昨日阪神淡路大震災の際、全壊した家から奇跡的に助かった我がチェンバロの話をしましたが、今日は体験者が語る「大地震からチェンバロを守る方法」を少々。

Photo_82 まず、地震が起こると突然の大揺れでチェンバロは激しく揺さぶられます。弾かない時もフタを開けっ放しにされている方をたまに見かけますが、突き上げ棒が外れて響板に刺さるかも。(ホコリも入るでしょうし) ★弾かない時はフタを全部閉める また揺れでチェンバロ本体がスタンドから落ちてしまう可能性もあり(スタンドと本体をネジ等で固定すると音に影響するのであまりお勧めではないのですが) 本体が床に落ちた場合(または上から重量物が落下した場合)前パネルをしていると楽器本体が箱状で衝撃に強くなるので安全です。★弾かない時は前パネルを付ける 

Photo_83 また楽器の上に様々な物が落下してくるので保護のためにカバーをしておくと安心です。家が崩れた際日本家屋では土壁のホコリが室内に充満し、楽器の内部まで入ってしまうようです。微粒子のホコリなので楽器の中に入ってしまうと中々除去出来ません ★弾かない時はカバーを掛ける      私は阪神大震災の際は上記の他にカバーの上から布団を掛けていましたので、ガレキに埋もれても楽器自体は大丈夫でした。(カバーと布団の2重のクッションでも本体にキズが付きましたのでさぞかし凄い衝撃だったようです) 後は楽器に倒れてくる位置に重量物(本棚・タンス等)を置かないとか、簡単には崩れない家に住むとかでしょうか。(これは判っていても変えるのは難しい?) 

ここからは、体験者が語る震災直後の様子です。揺れた直後は正直チェンバロどころではないので、まず楽器がしばらく放置しても良い状態か確認後、まずは避難です。神戸では警察官もパニックで避難先の指示も出来ず放心状態でした。(役立たず!) 安全な場所までの避難が先決ですが、食料などは1~2日来ない場合もあります。神戸の場合、火事で被害が大きかった長田地区は比較的早く援助が来たようですが、我が東灘は距離は近いのに援助は後回しにされたようです。3日は自力で生存出来る様に非常食と水は必要です。その後は洪水のように援助物資が届くはずなので、3日が勝負でしょうか。また神戸の時のように極寒の時期は避難していても停電で暖房が無い状態です。私も仕方なく全壊した家の破片を家主にお願いして運び出し焚き火をして辛うじて暖を取りました。こんな時にチェンバロなど燃えやすい木材(?)を持ち出していると下手をすると焚き木にされる可能性ありです。(パニック時には他人には大切な楽器と言っても通じない) また体験して判ったのは地震の後の火事の怖さです。消防車が来ない状態で火事が起こるともう江戸時代のように風任せで火はやって来ます。また停電が復旧した途端ガレキの中で電気製品のショートからの出火があるので、相当後まで火事の危険性が続きます。私の自宅でも昼に数百m先で火が起こり夕方には数十mまで火が接近しましたが(マンションのテラスに火の粉が飛んできた)最後何とか消防車が来て我が家は奇跡的に助かりました。やはり古い木造の家は火事の危険性高いと見たほうが良いでしょうね。マンションは大丈夫なようでしたが。 地震後はしばらくライフラインも止まる可能性が高いので(神戸の我が家では電気は1週間、電話は2週間、水道は1ヶ月、ガスは2ヶ月ストップでした) 楽器を自宅へ放置して避難するか(時期によっては悪条件かもです)、楽器を持ち出すか(大掛かりな交通規制で困難が予想されますが)判断に迷うところです。少しでもマシな状態での保管が必要です。

結局神戸では幸い震災で壊れて使えなくなったチェンバロは私の周辺では皆無でした。(パイプオルガンの被害は相当出ましたが) ただ東京はチェンバロ台数は比較にならないほど多いと思います。私の体験が少しでも役に立てればと願っております。

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